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『アスリートバンク』で既報 あの西澤ヨシノリが韓国ヘビー級チャンピオンをKO!

アスリートバンク サイト管理者 (2008年11月12日 18:29)

試合後、会場前で歓喜の記念写真。前列中央の西澤の両隣が愛妻の英美さんと愛娘の由華ちゃん。西澤の闘うところに二人あり。

42歳の最年長ボクサー、西澤ヨシノリ。いまだ世界チャンプを目指して現役にこだわるその活躍ぶりは、創刊号と2号で既報のとおり。

その西澤が11月2日、韓国の京畿道龍仁市で行われたアジア最強決定戦で、韓国ヘビー級チャンピオンのキム・ジェッチャンを3回ノックアウトで倒し、「アジアナンバーワン」の地位に就いた。

本来、キムとフィジーのチャンピオンとのカードが組まれていたが、5戦5勝(5KO)のキムの戦績の前に、"敵前逃亡"する形となり、西澤にお鉢が回ってきた。

「海外ではよくあることなんですが、対戦相手が急に変更されたり、組まれたりします。だから、僕はいつ声がかかってもリングに上がれる準備をしているんです」

試合の6日前に連絡が入った。アジア最強の称号を手に入れるチャンスだ。

「向こうは僕をなめてかかってきたと思います。そうはさせないよって。自信はありました」

西澤は二つ返事で韓国へ飛ぶことになった。

キムは西澤の19歳年下の23歳の若さで、試合の模様はテレビで生中継、深夜に再放送も編まれ、それほど韓国では期待される選手だった。

第一ラウンド。西澤が年齢からいって動きが鈍いと思ったのか、キムは若さでガンガン西澤の懐に飛び込みパンチを打ってきた。

「打ちたいだけ打たせてやりました。致命的なパンチをもらわなければいいんです。これで相手の力量を見極めました」

第二ラウンド。キムの力を掴んだ西澤は、キムが放つ左のパンチに合わせて右のクロスカウンターを打ち込んだ。キムの顔面にきれいにヒットしダウンを奪ったが、レェフリーのジャッジはスリップダウン。完全なアゥエイでの闘いだ。

「手応えは十分にあったので、次(3R)で一気に決めよう」

第三ラウンド。左フックでキムはふらつく。続けざまに放った西澤の右ストレートがクリーンヒットし、キムはロープに飛び、背中を打ちつけた。キムの目は完全に宙を舞っていた。レェフリーが中に入った。1分22秒、西澤の堂々たるノックアウト勝ちだった。

「韓国から帰ってきたその日からロードワークです。いつでもリングに上がれる準備は怠りません。だから、ジムでも週2回のスパーリングのメニューを入れているんです。僕に残された時間はそう多くはありませんからね」

世界のベルトを巻くまで、西澤に本当の休みが来る日はない。

(終)

WRITER

黒井克行(アスリートバンク編集長)
1958年北海道旭川市生まれ。早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経て、ノンフィクション作家として独立。著書に『テンカウント』(幻冬舎文庫)、『高橋尚子夢はきっとかなう』(学習研究社)、『高橋尚子勝利への疾走』(講談社α文庫)、『工藤公康プロフェッショナルの矜持』(新潮社)、『男の引き際』(新潮新書)などがある。日本大学法学部講師も務める。

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