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『女子バスケットボール、富士通レッドウェーブの挑戦(後編)』

アスリートバンク サイト管理者 (2008年12月10日 17:48)


名将・中村監督の野望

女子バスケットボールが、年末を迎えますますおもしろい。
富士通レッドウエーブは、11月29日、30日とトヨタ・アンテローブスに連勝、トヨタ戦の対戦成績を五分としている。攻めても守っても、オールコートを走りぬけ、相手を崩していくバスケット――ようやく富士通独自のスタイルが戻って来た。試合後、富士通の中川文一監督は語った。

女子バスケットボール、富士通レッドウェーブの挑戦(後編)中村文一監督。90年代、シャンソン黄金時代を築いたが、富士通での最初のシーズンはリーグ5位。

「これでトヨタとは今シーズン通算2勝2敗ながら、得失点差ではウチが上に立てました。リーグ戦の後半に入っていき、ますますトップチーム同士の戦いが熾烈になっていく中で、アドバンテージを確保できたことは大きい」

両日には、シャンソンとJOMOも戦い、一勝一敗の好勝負を展開している。富士通は、ディフェンディングチャンピオンながら、開幕からなかなか白星を重ねられなかった。ここへきて、雲の切れ目が見えてきただけに、中川監督がライバルの動向を意識しないわけがない。だが、彼は意外なほどさらっといってのけた。

「指揮を執る身としては、さほど両チームに脅威を感じていません。それより、シーズン当初からチームの歯車が噛み合わなかったウチが、ようやく〝富士通らしさ〟を発揮できるようになったことがうれしい。ウチが従来の力を出すようになれば、他のチームにプレッシャーを与えることになりますからね」 

さらに12月6日、7日は富士通‐シャンソン、JOMO‐トヨタとトップを争う4チームが相手を代えてぶつかりあった。富士通は6日の試合を80‐72で振り切ったものの、翌日は85‐88とシャンソンに逆手を取られてしまった。一方のJOMO対トヨタは75‐78、76―77でトヨタが連勝する結果となった。いずれも僅少差の熱戦、スコアを見るだけでもひりひりとした雰囲気が伝わってくるというものだ。

12月7日現在での順位は、トヨタ(15勝4敗)、JOMO(15勝4敗)、富士通(12勝7敗)、シャンソン(10勝9敗)――そろそろファイナル4の顔ぶれが見えてきた感もあるが、中川監督は一転してきびしい表情となった。

「ウチがファイナルまでコマを進めるのは当然のこと。ここでの接戦を制するために、もう一歩チームを進歩させないといけません」

WJBLは来年2月まで試合が続くものの(各チーム4回戦)、年が明ければリーグ戦をいったん休止し、全日本総合選手権(皇后杯)のトーナメント戦が繰り広げられる。こちらもビッグタイトルだけに眼が離せない。

WRITER

増田晶文
1960年大阪府生まれ。同志社大学卒後、10年の会社員生活を経て作家に。Numberスポーツノンフィクション新人賞、小学館ノンフィクション賞などを受賞。主な著作に『果てなき渇望』『速すぎたランナー』『吉本興業の正体』『父と子の中学受験合格物語』などがある。

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