『ウエイトトレーニングの罠』
(2008年12月10日 17:31)
バーベルの持ち方、使い方次第で毒にも薬にも なるのがウエイトトレーニング。
「ウエイトトレーニングで怪我」
最近、マシーンでウエイトトレーニングしているなかで、「怪我した」、「故障した」という声をよく耳にします。本来故障を予防するための運動なのになぜ?
人間には自然に出来た筋肉があります。その筋肉を無視して、運動を行っても、決して良い結果には結びつきません、それが怪我の理由です。
たとえば、立っていることがつらい、座っていることがつらい、そんな人がフィットネスジムで、マシーントレーニングを習っても、効果をあげることができません。
そうでしょう、人間はまず、立位 座位から開始です。そして、次が、重心移動と重心の確認です。歩くことが辛いという人は、自分の体の重心、バランス 自重まで掘り下げないと、次へすすめません。
「ウエイトトレーニングの功罪」
このような研究結果があります。アメリカの大学で研究 発表された中に、プロスポーツ選手がベンチプレスで、120kg150kgをあげるにもかかわらず、腕立て伏せをさせると、4回から5回しか出来なかったとあります。プロでしかもトップでプレーしている選手がです。
これは、体全体のコーディネーションが悪いからです。自分で自分の体全体をうまくコントロールできないからそうなってしまうのです。
プロの世界で通用する選手は、まず怪我や故障のない選手です。すばらしい選手は、自分の体をうまく動かし、そして、素早く変化させることができます。動きの応用です。しかし、今世間一般に言われるフィットネスジムでは、マシーンを使ったり、フリーウエイトを使って、ある種平面的な動きの指導を数多く行い、マシーンと言う軸の動きに対してのみの動きを強化するだけで、人間が必要とする可動域の強化、体の細かい部分の筋肉強化ができません。
人間の体には、無数の筋肉があります。大きな筋肉は、マシーンなどで強化できますが、細かく細い筋肉強化のためにはほとんど役に立ちません。ウエイトマシーンのほとんどが、軸を中心にした動きで、実際の生活にはそのような軸中心の動きはほとんどありません。だから、機械中心で行うと、応用ができなくなるのです。
また、機械の動きには、可動域が限られて来るため、故障と背中合わせでもあります。四角箱の中に丸いボールを詰め込むことに似ています。
多くの怪我や故障の原因は、それらの筋肉が引き金となって引き起こされるのです。また、かつては大きな筋肉を持つことがある種正しいと思われていました。しかし、それが見直され、陸上界も近年スリム化され、以前より選手がしなやかになり、動きが大きくなっています。
「腰痛肩こりの原因」
人間は、重心(丹田)をうまく使いこなすことで、体が軽やかに動きます。自分で自分を操れます。しかし、機械を使っての運動は平面的に成り過ぎ、自分自身で応用することができなくなってしまいます。
もし自分で自分の体をしっかりコントロールして、自分で自分を動かすことが出来れば、どれだけ、体が軽やかになるのか。人は皆生活しています。運動しています。しかし、多くの人は、体に無理をかけながら運動しています。
一度その場で立ち、目を閉じて、その場で足踏みしてみてください。いかがでしょうか?30秒で結構です。
さて、おそらく多くの方が、目を閉じる前と開いた後では、立っている向きが違う。普段の生活では、前を見て歩いているから、まっすぐ進むことができます。
これは、車のハンドルから手をはなして、車がどちらかに向いて進む場合と似ています。車はハンドルを持つことで、まっすぐに進みます。しかし アライメントの狂った車は勝手に横に逸れてしまいます。人間も同じように、体全体でまっすぐに進めています。ですから体に無理をかければ、いろいろな弊害が生じてくるのです。腰痛、肩こり、これらがまさにそれです。
WRITER
- 岡本英司
- 1957年9月24日大阪府生まれ。米ワイオミング大学を卒業後、コロラドで理学療法士となる。コロラド大学陸上部コーチを務める一方、91年から世界陸上のレギュラー解説者となり、96年には陸上競技のマネージメント会社を設立。日本人初の国際陸連代理人となる。ルーマニア陸連のアドバイザー兼同国のマラソン選手育成もする。現在、米カリフォルニア州デービスで、世界で一つしかないスタイルのフィットネスジムを経営する傍ら、UCDAVISDで陸上の跳躍コーチ。また、中東カタールのコーチのコーディネートも務める。
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