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『スポーツ余話「岡田監督とマスコミの軋轢」』

アスリートバンク サイト管理者 (2008年11月12日 16:01)

貝になった岡田武史

メディアとスポーツ現場の関係とは? ちょっと考えさせられた一日だった。

先日、国立競技場で行われたサッカーJリーグのナビスコ・カップ決勝に足を運んだ。クラブ創設から苦節15年。九州の大分が清水を破り、カップ戦とはいえ初タイトルを獲得した。

大舞台には、Jリーグや日本サッカー協会から重鎮が顔を揃えていた。創設時は練習場もクラブハウスもない県リーグのチームが、階段を1つ1つ上がって、ついにトップの座にたどりついたのだ。大分から駆けつけたサポーターからは紙テープが投げ込まれ、さわやかな秋風が吹いた日だった。

岡田武史監督サッカー日本代表がさえない。岡田監督もほとんど沈黙に近いが、指揮官が笛を吹かなければ選手は踊らないことを御存知か。

この試合に、W杯最終予選を戦っている日本代表の岡田武史監督も視察に訪れていた。後半途中にもなると、岡田監督の帰り際をつかまえようと、報道陣は歓喜の瞬間を見ることなく、競技場正面玄関前の関係者出口近くでじっと待機していた。緊張感はなかった。それもそうだろう。今日だって、多くを語るはずはない。そう、誰もが思っていたからだ。

予想通り、コメントは素っ気ないものだった。

試合を観戦したものの「見ての通り。目の引く選手は何人かいたよ。どのチーム? 両軍ということにしておいてください」。W杯アジア最終予選の3戦目(11月19日カタール戦)を控えている大事な時期とはいえ、岡田監督のこのコメントをニュースや紙面を見て、ファンならどう感じただろうか。もう少しリップサービスしてもいいんじゃない?と首をかしげたことだろう。

何を畏(おそ)れているのかと思うことがある。

ピンチヒッターの憂鬱

 確かにオシム前監督が病に倒れて、ピンチヒッターで登場した。もう1年近く前のことである。3次予選の段階から苦しいゲームもあり、報道陣との関係はあまり良好でないと伝え聞く。記者にあまりコメントしたくないのだろうか。自分の言葉が正しく伝えられない、という意識でも働いているのだろうか。ところが一部の雑誌などにはインタビューという形で時々登場している。気持ちが分からなくもないが、やはり日本代表を率いる監督である。先頭を切ってチームや選手の現状、試合の様子をどんどん伝えることも役目のひとつではないかと思う。

WRITER

田誠
大阪府出身。岡山大学出身、45歳。日刊スポーツでプロ野球、大リーグ、五輪、サッカー日本代表などを担当。森西武、長嶋巨人、岡田マリノス、ジーコジャパン、イチローのデビューを取材。今年は五輪開催地の北京にも足を運んだ。

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