『松坂大輔の2年間は正しかったのか』
(2008年10月27日 15:49)
メジャーに跋扈(ばっこ)する日本人プレイヤー
レッドソックスの本拠地、ボストン・フェンウェイパーク。今や"ダイスケ"人気は地元に定着しつつあるように思えるが......。
かつて野茂英雄が無理矢理にこじ開け、伊良部秀輝や新庄剛志らが押し広げてくれた日本人選手のメジャーへの扉。
そうやって大きく開かれた道を近年では多くの選手が軽々と渡って来るようになり、MLBにおいて日本人選手の存在が当たり前のものとなって久しい。
中にはイチロー、松井秀喜のように立派な成績を残して「成功者」として認められているものもいる。逆に井川慶のように失敗補強の代名詞とされた選手もいる。
そしてこれまで新大陸を訪れたジャパニーズたちの中でも、最も評価の難しい選手とはあるいはレッドソックスの松坂大輔なのかもしれない。
二分する松坂評
2006年オフに鳴り物入りでメジャーを代表する名門チームに入団し、以降の2年間で松坂は33勝。見事な実績に思える。今季に至っては18勝3敗(防御率2、90)という圧倒的な数字を残し、記録だけを見ればサイ・ヤング賞候補とされてもしかるべきのはずである。
「ダイスケのように素晴らしい成績を残している選手がオールスターに選ばれないなんて不思議だね。僕が選出されなくても仕方なかったよ」
今季に20勝を挙げたマイク・ムシーナ(ヤンキース)は、球宴への落選が決まった際に盛んに「ダイスケ」の名を引き合いに出していた(松坂も落選)。そんなエピソードに象徴されるように、松坂大輔の存在と名前はメジャーリーガーたちの中にも十分に知れ渡ったと言って良いだろう。
ただその一方で・・・・・・地元ボストンを中心とするアメリカのメディアの松坂評を拾って行くと、実は好意的なものばかりではまったくない。
「支配的な投手とはまるで言えない。メジャーでは先発3番手程度の力」
昨季中の「ニューヨーク・デイリーニューズ」紙には、某チームスカウトの意見としてそんな手厳しい見方が掲載されていた。さらに、少なくとも数字的には大きく飛躍した今季に関しても、実際にはその評価はまるでスクリューボールのようにゆらゆらと揺れ動き続けていたと言って良い。
「球種が多いので相手打者にとって打ち辛い投手ではあるが、一方で四球と球数も多いため、味方選手、監督、コーチ、ファンにも絶え間ない「我慢」を強いる不思議なピッチャー」
TV解説者ロン・ダーリン氏(80年代にメッツなどで活躍。通算136勝)のそんなコメントなどまだ生易しいもの。「ボストン・グローブ」「ボストン・ヘラルド」といった辛口の地元紙は、今季中盤頃からかなり手厳しい記事内容で、ほとんどバッシングに近い松坂報道を繰り広げていた。
「異常な球数の多さと効果的とは言えない内容の連続」「見ていると欲求不満になる」「物事をややこしくするのが好きな投手。高速道路を避けて信号だらけの道を走るのが好きなのだろう」・・・・・・etc。
WRITER
- 杉浦大介
- 1975年生、東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、NFL、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボールマガジン』『ボクシング・マガジン』『スポーツナビ』『日本経済新聞』など、多数の媒体に記事、コラムを寄稿している。
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