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(2008年10月14日 01:54)
NFL開幕前夜、マンハッタンの南、サウス・フェリー・ターミナルから無料のフェリーに乗り、約25分。スタッテン島にあるスタジアムに、ヤンキース傘下の1Aスタッテンアイランド・ヤンキースの試合観戦に訪れた。2001年にオープンしたこのスタジアムは、外野のフェンス越しに、マンハッタン摩天楼の景観が望める美しいスタジアム。この日の試合、最後を締めたのは両投げの投手。左右の打者に対して、器用に投げ分けていた。
帰りのフェリー船内、自由の女神を左手に見ながら、自由の女神は右利きだろうか。もし両投げのQBがいたら。苦もなく左右同じようにパスが出来たなら、その利点はどれ程なのか。と考え始めたところでターミナルに到着したので、そこで考えるのをやめてしまった。そしてもう一つ気になったこと。マンハッタンの夜景はこんなものだっただろうか。かつては、もっと光り輝いていたような気がした。ツインタワーがなくなったからなのか、それとも近年のエコブームの賜物なのか、はたまた日常生活から巷に溢れる電飾に目が慣れてしまったからなのか。
翌日。開幕戦を迎えたジャイアンツ・スタジアム。キックオフ20分前、昨夜の筆者の思いはつゆ知らず、スタジアムに流れたのは、U2の『シティ・オブ・ブライディング・ライツ』(まばゆく光り輝く街)この曲は、U2のボノが同時多発テロ後のツアー中、NY公演後にインスピレーションを受けて書いたという。
物質的な光はともかく、昨シーズン、最後の最後に一番の輝きを放ったのは、史上最大のアップセットを演じてスーパーボウル王者となった、ニューヨークジャイアンツであることは間違いない。
試合前のフィールドには、一際輝く巨大なロンバルディートロフィー。試合開始13分前になると、往年の名プレーヤー達が姿を現し、スクリーンにはスーパーボウルでの名場面が映し出された。急速に埋まり始めた客席から歓声が上がる。中でも一番の盛り上がりを見せたのは、昨季のスーパーボウルでのスーパープレー。イーライ・マニングが体勢を崩しながらもWRタイリーに決めたTDパス。ファンは今初めて見たプレーであるかのように、喜びを表す。
そして5分前。巨大なロンバルディートロフィーの中から、昨季限りで引退したDEストレイハンが登場。観客席からは割れんばかりの大歓声。記者席では「おぉ」という声と共に一部笑いも起こる。筆者は巨大ロンバルディーがだいぶ前からグラウンドの端にあったことを思い出し、思わずストレイハンの身を案じてしまった。しかし、どちらかというと、ここジャイアンツ・スタジアムよりも、マンハッタンはミッドタウン、MSGの方が似合いそうな、いささかWWE 的な演出。嫌いではない。
このストレイハン登場の3時間程前。
スタジアム、選手用駐車場には主力組が続々と姿を現していた。スーツできめてくる者、近所のコンビニに行くのと大差ないような緩い格好で来る者、本人のみぞ知る独特のファッションセンスを醸し出して来る者。多くは開幕といえども服装に関して特段の気負いは見られない。
小奇麗なシャツとパンツスタイルできめたバレスやトゥーマーなどのレシーバー陣は、サインを求めるファンを避けるようなルート取りをして、選手入口へ向かう。それに対し、半袖シャツに短パン姿で現れたRBジェイコブスは、駐車場から選手入口までの最短ルートを選択し、ファンのサインリクエストにも応えていた。真っ向から目の前の仕事を一つ一つクリアしていく。その姿がフィールド上のそれとダブる。
ちなみに、ファンの呼びかけに待ってましたとばかりに歩みより、サインを書くKタインズの指にはスーパーボウルリング。見せたいだけ?なんてことはないと思うが、写真のリクエストにも気軽に応じていた。(スーパーボウルリングのほう)
WRITER
- 小川直樹
- 1972年生まれ。スポーツライター。プロ野球を中心に幅広くスポーツ界の取材を行う。米国4大スポーツにも精通。NFL専門誌「タッチダウンPRO」に寄稿。06年ブログ「仁志敏久取材日記」以来のネット界進出。
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